高額医療費制度って何?限度額認定との違いは?申請の仕方や注意点についても解説!

高額医療費制度って何?限度額認定との違いは?申請の仕方や注意点についても解説!

 

急な怪我や大きな病気で医療費が高額になってしまうと、家計が不安になりませんか?

そんな高額な医療費の負担を減らすために、高額医療費制度というものがあります。

高額医療費制度とは、1ヶ月である一定の限度額を超えた場合、超えた分の金額が払い戻されるという制度です。

この記事では、高額医療費制度についてと申請の仕方から注意点まで解説しています。

また、同じように医療費の負担を軽くする限度額認定との違いについても解説していますのでご参考ください。

この記事でわかること

・高額医療費制度とは
・申請の仕方や注意点
・限度額認定との違い




高額医療費制度とは?

高額医療費制度とは?

高額医療費制度を簡単に説明すると、1ヶ月にかかった医療費の自己負担額が上限を超えた場合、超えた分が後から払い戻しされる制度です。

病気やけがなどでかかる医療費は、医療保険が適用されますよね。

医療保険が適用されることで1~3割の自己負担となるため、健康に過ごしている方であれば毎月の負担は少ないはずです。

しかし、時には大けがをしたり大きな病気で医療費が高額になることもあるかもしれません。

1~3割と言っても、元が高額だとかなりの負担になってしまうこともあるでしょう。

そんな医療費が高額になってしまう方の負担が重たくならないように、すべての人が安心して医療を受けられるような制度が高額医療費制度です。

対象となる医療費は、医療保険が適用される診療の自己負担額です。

高額医療費制度の対象のならないもの

・差額のベッド代
・入院時の食費かみ
・先進医療

これらは適用されないので注意してくださいね。

また、月をまたいで入院をする場合も気を付けることがあります。

例えば1月と2月に入院した場合、1月分と2月分に分けて請求しなければなりません。

医療機関からの領収書も、2枚発行されるはずです。

2回に分けて支払うとすると上限額に満たない可能性が出てくるので、申請することができなくなってしまいます。

とはいえ、入院はなかなか自分で日にちを決められるものではありませんよね。

もしも高額になりそうで、かつ自分で日にちを決められるようであれば、月をまたがないようにするのがおすすめです。




高額医療費の申請の仕方

高額医療費の申請の仕方

高額医療費制度の申請の仕方は、加入している医療保険(社会保険や国民保険など)によって異なります。

何もしなくても申請書が自宅に届く場合もありますし、自ら申請しないといけない場合もあります。

加入している医療保険に一度確認することをおすすめします。

また、病院の領収書は申請の際に必要になりますので必ず取っておきましょう。




限度額適用認定との違い

限度額適用認定との違い

高額医療費制度は、一度病院で支払った後に申請することで払い戻されるため一度はお金を負担しなければならないということです。

払い戻しされるまでには3ヶ月以上審査に時間がかかることもありますので、大きな負担になってしまいますよね。

それに対して限度額適用認定というのは、「限度額適用認定証」を交付してもらうことで、自己負担限度額までの支払いだけになるという制度です。

高額な医療費がかかることが、前もってわかっていることもあると思います。

例えば、大きな手術や入院が決まっているなど。

あらかじめ自己負担限度額を超えるとわかっているのであれば、申請することで病院での支払いが自己負担限度額のみになります。

病院や薬局で保険証と一緒に限度額適用認定証を提示するため、必ず事前申請が必要です。

高額な医療費がかかるときは、事前に用意しておきましょう。

限度額適用認定証の申請の仕方

限度額適用認定証を申請するのは、加入している医療保険によって異なります。

加入している医療保険に問い合わせて、確認してみましょう。

ホームページから申請書をダウンロードできる場合もありますので、一度調べてみるのをおすすめします。




高額医療費制度と限度額適用認定との違い

高額医療費制度と限度額適用認定との違い

高額医療費制度と限度額適用認定の一番の違いは「自己負担限度額以上の金額を負担するか、しないか」です。

高額医療費制度は一度ご自身で金額を負担しなければなりません。

後から申請してから限度額を超えた分が払い戻しされるので、一定期間は高額な医療費を負担することになりますよね。

あまりにも高額な場合、負担することができない方も出てくると思います。

そんな方のためにあるのが、限度額適用認定です。

限度額適用認定証を交付してもらえば、病院で支払うのは自己負担限度額のみになります。

これなら、負担することがないですよね。

急に発生してしまった高額な医療費は高額医療費制度。

あらかじめ高額な医療費になることがわかっている場合は限度額適用認定と覚えておきましょう。




高額医療費制度にも限度額がある

高額医療費制度にも限度額がある

高額医療費制度には、自己負担限度額というものがあります。

自己負担限度額は以下の3つから決められ、金額が変わってきます。

・年齢と所得
・世帯合算
・多数回該当

それぞれ詳しく見ていきましょう。

年齢と所得

自己負担限度額は、年齢と所得によって変わります。

69歳以下の方は以下の通りです。

【年収約1,160万円~】

健保:標報83万円以上 
国保:旧ただし書き所得901万円超     252,600円+(医療費-842,000)×1%

【年収約770~約1,160万円】

健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円 167,400円+(医療費-558,000)×1%

【年収約370~約770万円】

健保:標報28万~50万円 
国保:旧ただし書き所得210万~600万円 80,100円+(医療費-267,000)×1%

【~年収約370万円】

健保:標報26万円以下 
国保:旧ただし書き所得210万円以下 57,600円

【住民税非課税者】

35,400円

引用元:高額医療制度を利用される皆様へ/厚生労働省HP

表の右側に書いてある上限額(限度額)が自己負担する限度額になります。

この金額を超えた分は後から払い戻されます。

しかし、なかなか一人ではこの金額にたどり着かない方も多いと思います。

また、年に何回も高額な医療費がかかってしまう方にとっては、それでも負担が大きくなるでしょう。

次に解説する世帯合算と多数回該当は、さらに負担額を減らす制度です。

世帯合算制度とは?

世帯合算は、同じ世帯であれば(同じ医療保険に加入している)1ヶ月の全員分の合計で申請できます。

しかし、世帯といっても一緒に住んでいる人というわけではないので注意してください。

例えば、夫婦共働きで別々の医療保険であった場合、合算することは出来ません。

また、75歳以上は後期高齢者医療制度のため合算できないので注意してください(75歳以上同士は可能)。

65歳以下の方も同じ世帯であれば合算可能ですが、21000円以上の自己負担額のみ可能です。

また、一人で複数の医療機関を受診している場合でも合算できます。

多数回該当

多数回該当は、過去1年間に3回以上、上限額に達していると4回目から上限額が下がります。

多数回該当の場合(69歳以下)には、このように減額されます。

【年収約1,160万円~】

健保:標報83万円以上 
国保:旧ただし書き所得901万円超 140,100円

【年収約770~約1,160万円】

健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円 93,000円

【年収約370~約770万円】

健保:標報28万~50万円 
国保:旧ただし書き所得210万~600万円 44,400円

【~年収約370万円】

健保:標報26万円以下 
国保:旧ただし書き所得210万円以下 44,400円

【住民税非課税者】 24,600円

年に何回も高額な医療費を支払った方は、利用したい制度ですね。




70歳以上や75歳以上ではまた金額が変わる

70歳以上や75歳以上ではまた金額が変わる

ここまで69歳以下の方の場合について解説してきましたが、70歳以上や75歳以上の方になると金額が変わってきます。

70歳以上の年齢と所得による自己負担限度額は以下の通りです。

【収約1,160万円~】

標報83万円以上/課税所得690万円以上 252,600円+(医療費-842,000)×1% 

【年収約770万円~約1,160万円】

標報53万円以上/課税所得380万円以上 167,400円+(医療費-558,000)×1%

【年収約370万円~約770万円】

標報28万円以上/課税所得145万円以上 80,100円+(医療費-267,000)×1%

【年収156万~約370万円】 

標報26万円以下 課税所得145万円未満等 18,000円 (年144000円)57,600円

【住民税非課税等】

Ⅱ住民税非課税世帯 8,000円 24,600円

Ⅰ 住民税非課税世帯 (年金収入80万円以下など) 15,000円

引用元:高額医療制度を利用される皆様へ/厚生労働省HP

69歳以下との違いは金額だけでなく、外来の限度額も追加されていることです。

年齢が高くなるにつれて、定期的にいろいろな病院にかかると思います。

そんな時に外来だけでも負担を減らすことができます。

また、75歳の誕生月になると国民全員が後期高齢者医療保険に加入します。

後期高齢者の場合は、70歳以上の2分の1が自己負担限度額になりますので、さらに負担が減ることになりますね。




高額医療費制度【まとめ】

ここまで、高額医療費制度について解説してきました。

健康でいることが一番ですが、医療費が高額になってしまうこともあるかもしれません。

そんな時には、高額医療費制度や限度額認定をうまく活用して負担を減らしていきたいですね。

それでは、ここまでのまとめになります。

・高額医療費制度とは、1ヶ月の限度額を超えた分を払い戻しする制度
・受診後の申請のため、病院で一度負担する必要がある
・限度額は年齢や所得によって変わる
・対象は医療保険が適用される診療の自己負担額
・69歳以下と70以上では、自己負担限度額が変わる
・限度額認定は事前に申請すれば、病院で支払う金額は自己負担限度額のみになる

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が高額医療費制度について知りたいあなたのお役に立てれば幸いです。

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