学生時代に習った円高円安の仕組みをよく理解せずに大人になった方も多いのではないでしょうか。
日常生活ではあまり使いませんが、円高円安の仕組みを全く理解していないと大人として恥ずかしいかもしれませんね。
この記事では、円高円安のわかりやすく解説しています。
難しく感じないように語呂合わせでの覚え方も紹介していますので、より覚えやすいと思います。
この記事でわかること
・円高円安の意味
・円高円安の基準
・円高円安のメリットとデメリット
ページコンテンツ
円安円高の意味をわかりやすく解説!輸出輸入との関係は?

最初に最も肝心な円高と円安は何を意味しているのかについて調べてみましょう。
覚え方についてもわかりやすく解説していますので、今までわかりにくかった部分も解消されるはずです^^
外国為替相場についてもわかりやすく解説しています。
円高円安を習う中学生でもわかりやすく解説!
円高円安というのは「何」に対して円が高くて円が低いのでしょうか?
円高円安とは
「外国の通貨の価値」に対して
円の価値が高いのを「円高」、円の価値が低いのを「円安」といいます。
それぞれ見ていってみましょう。
外国為替相場で外国通貨と円を比べた場合に円の数値ではなく価値が高い。
外国為替相場で外国通貨と円を比べた場合に円の数値ではなく価値が安い。
文字と現象が真逆の為、難しいとなるのが当たり前です。
「円高円安」というのは円の数字ではなく価値に対して示される言葉で、
1円が10ドルとすると1ドル当たり0.1円
1円が100ドルとすると1ドル当たり0.01円。
円の価値として高いのは前者の1ドル当たり0.1円の方が高いです。
1円が10ドルよりも100ドルの方が一見すると円の価値が高いように見えます。
しかし実際は1ドルに対しての円の価値になりますので、1ドル0.01円より0.1円が高いです。
つまり1ドルが120円だと円安、1ドルが80円だと円高となります。
どうでしょう?
日本語の「円高円安」と真逆の現象なので覚え方に関しても苦労されると思います。
わかりやすく説明すると、1円当たりの外国のお金が高いか安いかで円高円安が決まっているのです。
つまり円よりもドルが高いほど円高となるわけです。
逆に円よりもドルが低いほど円安になります。
わかりやすい覚え方については後に説明していますので、何となく理解してもらえるだけで十分です。
2020年3月現在はコロナショックによって「ドル高」が進んでいます。
「ドル安」が進んでいるという事は一方で「円高」が進んでいるという事になり、円としての価値が下がっている事になります。
どんどん日本円の価値が下がっている状態という事になりますね。
円高と円安はどっちがいい?
結論から言うと、日本にとっては円高の方がいいです。
日本人が海外に出かけた際に海外旅行での買い物や、エネルギー資源、食材の購入がお得になるからです。
しかし、メリットだけではありません。
円高と円安のメリットとデメリットを正しく理解しないと、大損してしまう可能性があります。
円高と円安のそれぞれのメリットとデメリットをまとめますので、読んでみてください。
また後の方でさらに詳しく解説しています。
日本円の価値が高くなるので、海外製品を安く購入することができる。
また食材を安く購入することができ、海外旅行に安く行くことができます。
輸出企業が海外で稼いだ外貨を円に換えると、目減りしてしまいます。
目減りしてしまった分を製品の価格に上乗せするので、日本製品が海外で売れ行きが悪くなる。
安い価格を設定して海外に輸出することができる。
海外の人は、安く日本製品を購入しやすくなる。
海外製品が高くなってしまう。
食材などの価格が上がってしまうため、家計を圧迫し海外旅行が割高に。
円高と円安になる要因は?
円高と円安になる要因は、日本の輸出が拡大するか、輸入が拡大するかです。
日本の輸出が拡大とは、日本製の物を購入する外国人が増加するということ。
日本の物を買う外国人が増えると、料金の支払いのためにドルなどを円に交換します。
つまりよく聞く「円の需要が増える」とはこのことです。
輸出の拡大と円の需要の増加が、円高の要因。
逆に、「日本の輸入が拡大」「日本から旅行で海外へ行く人の増加」「円の需要が減少」は、円安の要因です。
外国為替相場を中学生でもわかりやすく解説!
世界にはいくつもの「お金の単位」が存在します。
海外旅行に行ったことがある人はわかると思います。
海外にはたくさんの「お金の種類」が存在しており、その国でお金として使うためには行った国のお金の単位に両替する必要があります。
日本に帰国した場合には、海外のお金をまた円に両替しなければなりません。
世界には違うお金の種類を売ったり買ったりする事で利益を得たり、海外企業に投資するなど行っている人達がたくさんいます。
売り買いを通じて利益を出そうとする人たちが毎日世界中のお金を売り買いしています。
外国為替相場(世界にとって目安となる中心的なお金の価値)は1分ごとに変動しています。
種類が違うお金を売り買いする場所を「外国為替市場」と呼び、ここで外国為替相場が決まっているといってもいいでしょう。
コロナショックと呼ばれる現象は、コロナウィルスの感染拡大によりドルや円の価値が急激に下がっている状態です。
ニュースで「円高」「円安」などを耳にしますが、「円高」は日本円の価値が下がっている事になります。
もちろん為替を保有している人は多く、今持っている価格よりも相場が下がったために投資家が売り始めたといえます。
円高円安の基準とは?

円高と円安の基準はありません。
変動為替相場で明確な基準が設定されていないからです。
あなたが耳にしている円高と円安は、今の円に対しての傾向を表しているにすぎません。
傾向をつかむ方法は、以下の2つ。
●企業の製品標準価格
●過去3ヶ月の平均レートを確認
それぞれについて見ていきます。
企業の製品標準価格
円高と円安は、企業に左右されます。
日本内で売買をする企業であれば関係ないと思いますが、海外を少しでも相手にしている企業であれば円高と円安に関わってきます。
企業は製品の基準となる価格をあらかじめ決めていて、その基準となる価格によって円高か円安かを決めています。
過去3ヶ月の平均レートを確認
過去3ヶ月の平均レートを基準にして、円高円安を決めています。
経済から見た傾向。
円高円安と輸入輸出の関係は?

後の方の円高円安のメリットデメリットで詳しく解説していますが、軽く輸出輸入の関係について触れておきたいと思います。
輸出というのは日本の製品を海外に送り出す事ですよね。
輸出の際に有利(日本が儲かる)に働くのは円高ですか?円安ですか?
(円高=1ドル100円、円安=1ドル120円)
輸入というのは日本が海外から製品を購入する事ですよね。
輸入の際に有利(日本が儲かる)に働くのは円高ですか?円安ですか?
(円高=1ドル100円、円安=1ドル120円)
ここまで2つのクイズを出してみました。
日本の人が日本で海外製品を買う場合は安い方がいいですよね。
例えばエルメスのバッグが20万円の時より10万円の時がいいですよね。
エルメスのバッグが日本で10万円で売られるためにはもちろん安く仕入れる必要があります。
海外から日本が安く仕入れるためには1ドルが120円より100円の方が日本がお金を払わなくて済みます。
つまり1ドルが100円の方がお金を払わない分、日本で売られる海外製品は安くなるわけです。
※正確には関税などの決まりがありますのであくまでもイメージです。
よって
- 輸出の時は「円安」の方が日本の企業が儲かる
- 輸入の時は「円高」の方が多くお金を払わなくていい
となります。
詳しくはまたメリットデメリットで書いています。
円高円安の覚え方をわかりやすく知りたい!【語呂合わせ付】

私なりに覚えやすいと思う覚え方を紹介します。
もしかしたらわかりにくいかもわかりませんが、その時は申し訳ありません。
円高円安をわかりやすく覚える事ができる覚え方は
「外国為替に対して円が安いほど円の価値は上がっていく(円高)」
「外国為替相場に対して円が高いほど円が流通するので円の価値は下がっていく(円安)」
「1ドル100円」が「1ドル80円」になった時、1ドル当たりの円は狭くなります。(数字が小さくなります)
1ドル当たりの円が低くなれば逆に円の価値は増えている事になり「円高」となります。
逆に1ドル80円が100円になった時、1ドルに対して円が広がります。(数字が大きくなります)
1ドル当たりの円が高くなれば円の価値が下がっている事になり「円安」となります。
ある物が少なくなればなるほど人は欲しがり、そのものの価値が上がっていきます。
「円」に関しても同じだと思えば、覚え方としてわかりやすく理解できるのではないでしょうか?
円高円安の覚え方は人それぞれですが、表示されている円の数値ではなく円の価値が円高円安を決めるといえますね。
円よりも〇が高い→円高〇安
円よりも〇が安い→円安〇高
1ドル120円が1ドル100円に小さくなった時は「円高ドル安」と覚えておきましょう。
逆に1ドル100円が1ドル120円に大きくなった時は「円安ドル高」と覚えておきましょう。
でも円高円安が覚えられないと嘆いている人もいるでしょう。
仕方がありませんので、語呂合わせで覚えていくしかありません。
- 1度100円が1度120円になったらもう円安しかない!
- 1度120円が1度100円に下がると円高になる!
それでも円安円高が覚えられないという人は
1ドル80円が100円になったら円安
これだけ覚えておいてください。
円高円安のメリットとデメリットとは?

ここではそれぞれ例にあげて紹介します。
1ドルが120円だった場合と1ドルが80円だった場合を考えてみましょう。
1ドル80円に比べて1ドルが120円の円安だった場合のメリットデメリット
わかりやすく説明すると1ドルが120円の円安状態の時に海外旅行に行くとします。
例えば120万円持っていたっとしてもアメリカでは1万ドルにしかなりません。
1ドルあたりの円が多いため旅行代が高くなってしまい、円高の時と比べて多く日本円を支払う必要がでてきます。
海外旅行などをする時にはより多くの費用が必要となってしまう一方、輸出する場合には、高い金額で物を売ることができると考える事ができます。
- 海外に輸出する企業は高い金額で売れるので売り上げが上がって利益が増える。
- 費用が円高と比べてかからないため外国からの観光客が増える
- 海外から輸入する場合には円安と比べて多くの日本円を支払う必要がある
- 海外に旅行する場合には円高の時と比べて多くの資金を必要とする
- 円安が続くとインフレーションの原因になる事もある
1ドル120円の時と比べて1ドルが80円の円高だった場合のメリットとデメリットとは?
わかりやすく説明すると、海外旅行に行く際に80万円持っていくだけで、10000ドルを手にできます。
企業の場合も同様で「支払う費用が少なくて済む」と考える事ができます。
海外に旅行するなら「円高」の時の方が得をすると言えますね。
- ドルの価値が低いため輸入をする際の費用が少なくて済む
- 海外からの買い物をする時に安い金額で買うことができる
- 海外旅行に行く際の費用が少なくてすむ
- 輸出をする場合には多くの費用が必要となるため利益が減ってしまう
- 円が高価なため海外で日本の物が売れなくなってしまう
- 海外旅行で日本に来る人が少なくなってしまう
などが挙げられます。
常にどちらがいいという事はなく、円高円安のバランスがとれている事が非常に重要だといえますね。
円高と円安の練習問題

円高と円安の練習問題を、「初級」「中級」「上級」と分けて出題します。
初級と中級は2問ずつ。
ぜひ解いてみてください。
全て解答することができれば、円高と円安についてかなりの知識がありますので、自慢できますよ。
円高円安の初級
1ドルが200円から190円になった場合は、円高ですか?円安ですか?
1ドルが200円から210円になった場合は、円高ですか?円安ですか?
円高円安初級の解答
【第1問の解答】
200円から190円になっているということは、円の価値が高くなっています。
つまり円高になっています。
ある物が少なくなった時に、人はとにかく手に入れようとします。
コロナの時のトイレットペーパーがいい例ですね。
少なくなれば価値が上がることを覚えておきましょう。
答えは円高です。
値段が下がっているので、円安と間違えやすいので注意してください。
【第2問の解答】
円の価値が200円から210円になっています。
これは第1問の逆で、円の価値が下がっている。
なので、答えは円安です。
円高円安の練習問題【中級】
1台200万円の日本製自動車を海外でたくさん売りたいとします。
この場合は、円高と円安のどちらが有利に販売することができるでしょうか?
海外産の木材を輸入して、家を建てたいと考えています。
この場合は、円高と円安のどちらが有利に(お得に)家を建てることができるでしょうか?
練習問題【中級】解答
【第1問】
安い価格で海外に輸出することができるので、海外競争力が上がる。
これは、円高と円安のメリットの項目で述べた通り円安のメリットです。
なので答えは、円安です。
【第2問】
円の価値が高いので、海外からの輸入品を安く購入することができます。
第1問と同様、これは円高のメリット。
なので答えは、円高となります。
円高円安の練習問題【上級】
Aさんは、家族旅行でアメリカに行くことになりました。
アメリカのディズニーランドでミッキーのぬいぐるみを、買うことを計画。
ガイドブックによると、欲しいぬいぐるみが10ドルすることが判明。
旅行が決まった時は1ドル100円だったので、1000円を準備して旅行に出かけました。
現地に着くと、祖母が「今日は日本で確認した時よりも円高になってるよ。」と言いました。
ここで問題です。
Aさんは、ミッキーのぬいぐるみを買うことができたでしょうか?
練習問題【上級】解答
買うことができます。
祖母の会話がヒントになっていますが、気づきましたか?
円高とは、円の価値が高いことを言います。
もし1ドル100円だったのが、1ドル80円の円高に変わっていたとします。
※レートはその日によって変わるので、必ずこの値段というわけではありません。
10ドルのぬいぐるみを買うのに必要な日本円は、800円ですむことになりますよね。
1000円で支払うと、200円のおつりがきます。
初級、中級、上級と問題を出題しましたがいかがだったでしょうか?
全て正解することができましたか?
円高円安をわかりやすく解説【まとめ】
ここまで円高円安について解説してきました。
わかりやすく解説したつもりでしたが、日本語と数字が正反対の現象になっていたため理解するのに苦労されたかと思います。
知らない人がほとんどだと思いますが、もしも海外旅行をする機会があるとすればぜひ知っておきたい豆知識ですよね。
もしかしたら知る必要がないという人もいるかもわかりませんが・・・。
円高と円安は、経済において重要な役割を果たしていると言われています。
しかし一般庶民の私たちにとっては、とりあえず理解しておけば十分だと思います。
それではまとめてみたいと思います。
- 円高円安は円の数字が外国通貨より低くなるほど「円高」になる
- 円高円安は円の数字が開国通貨より高くなるほど「円安」になる
- 海外旅行は1ドル120円より80円の時がいい(1ドルが安く手に入る)
- 円高は「輸入の際は有利」だが「輸出の際は不利」
- 円安は「輸出の際は有利」だが「輸出の際は有利」
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