最近では会社に就職したはいいけど人間関係のストレスや職場環境のストレスで離職する人が後を絶ちません。
以前はなかったパワハラやモラハラ、セクハラなどが流行している時代。
せっかく就職したはいいけど、理想とは違ってた・・・と思う人もいるでしょう。
でも会社辞めたらローンが払えないし・・・。
実は会社で勤めていた時に「雇用保険」というものを支払っている場合、失業保険の給付を受ける事ができます。
私が失業保険の計算をした時は数年前ですが、令和2年度の計算方法を解説しています。
給料ほど高くはないですが、すぐにはもらえなくても何もないよりはマシです。
業保険をもらうためにはどのような条件があり、金額の違いはどこにあるのでしょうか?
この記事では、失業保険の計算方法を自分なりにわかりやすく解説しています。
「再就職手当」や「失業保険の手取り額」、「障害者の場合の失業保険の計算方法」
についても触れていますので是非ご参考にされてください。
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失業保険の計算方法は?給付条件についても!

失業保険をもらうには「公共職業安定所」(ハローワーク)を通すことが前提となります。
失業保険は「基本手当日額」の金額が決まった日数分支払われます。
失業保険で支給されるのは「基本手当日額」
基本手当日額を出すために「賃金日額」が必要になります。
賃金日額 × 給付率 = 基本手当日額(実際に支給される1日あたりの額)
➀辞める月以前6か月の給料総額を計算します。
➁6か月間の給料総額を180で割ります。(基本手当日額を出すための賃金日額がでる)
退職した時点の年齢によって賃金日額の上限が変わります。
ちなみに最低は全年齢2500円です。
29歳以下(上限13630円) カッコ内の数字より高い場合はカッコ内の数字になります。
30歳~44歳(上限15140円)
45歳~59歳(上限16660円)
60歳~64歳(上限15890円)
➂賃金日額と給付率をかける事により「基本手当日額」を求める事ができます。
つまり会社で給料を高くもらっていた人ほど失業保険も高くなります。
給付率は非常に複雑なので、わかりやすく簡略化して書いていきます。
求めた賃金日額に自分が該当する給付率をかけてもらうと基本手当日額がでます。
退職時の年齢が29歳以下の場合
求めた賃金日額 | 給付率 |
2500円 ~5009円 | 0.8 |
5010円 ~12230円 | 0.5~0.8 |
12231円~13630円 | 0.5 |
13631円以上 | 6815円(固定) |
退職時の年齢が30歳~44歳
求めた賃金日額 | 給付率 |
2500円 ~5009円 | 0.8 |
5010円 ~12330円 | 0.5~0.8 |
12331円~15140円 | 0.5 |
15141円以上 | 7570円 |
退職時の年齢が45歳~59歳
求めた賃金日額 | 給付率 |
2500円 ~5009円 | 0.8 |
5010円 ~12330円 | 0.5~0.8 |
12331円~16660円 | 0.5 |
16661円以上 | 8330円 |
退職時の年齢が60歳~64歳
求めた賃金日額 | 給付率 |
2500円~5009円 | 0.8 |
5010円~11090円 | 0.45~0.8 |
11091円~15890円 | 0.45 |
15891円以上 | 7150円 |
給付率が「0.5~0.8」の欄に該当した人は次の式で計算する必要があります。
賃金日額 × 0.8 = A
(賃金日額 - 5010)÷ 7320 × 10000 = B
A-Bで「基本手当日額」の金額が出ます。
ただし、退職時の年齢が60歳から64歳までの「0.45~0.8」の場合は特殊な計算式となり、
「(賃金日額-5010)÷ 6080」の数値を A とします。
➀0.8 ×「賃金日額」- 0.35 × 「A」 × 「賃金日額」
➁0.05 ×「賃金日額」+ 4436
2つの式で低い方の金額が賃金日額となります。
「基本手当日額」が1日あたりに支給される「失業手当」となります。
失業保険の計算方法はわかったけど何日もらえる?
失業保険をもらえる期間は雇用保険をかけていた期間が「0~10年未満」「10年~20年未満」「20年以上」で変わります。
- 「自己都合(自分からやめる)」で退職する場合
0年~10年未満は「90日」
10年~20年未満は「120日」
20年以上は「150日」
となっています。
- 「会社都合(倒産やリストラ)」で退職する場合
支給される日数が非常に複雑なので表にして解説します。
(33歳の場合は35歳未満、28歳の場合は30歳未満を見てください)
※年齢は退職時の年齢で、期間は勤務年数です。
(退職時に有給をまとめて取る人は有給が終わった時の年齢です。)
年齢/期間 | 1年未満 | 5年未満 | 10年未満 | 20年未満 | 20年以上 |
30歳未満 | 90/日 | 90 | 120 | 180 | – |
35歳未満 | 90 | 120 | 180 | 210 | 240 |
45歳未満 | 90 | 150 | 180 | 240 | 270 |
60歳未満 | 90 | 180 | 240 | 270 | 330 |
65歳未満 | 90 | 150 | 180 | 210 | 240 |
表を見てもわかるように「自己都合」(自分から辞める)で退職するよりも、「会社都合」でやめるほうが金額は期間が長くなります。
期間が長くなるという事は総額としては多くなります。
自分の都合による離職ではないため、国が補助をしてくれるという考え方ですね。
失業保険の計算方法は障害者も同じ?

失業保険の計算方法は傷害者の場合も同じなのでしょうか?
障害者でも失業保険の計算方法は、一般の人と同じです。
失業保険の基本手当日額の計算方法は同じにしても、給付される日数に大きな違いがあります。
つまり合計金額にすると普通にもらう人よりも「高く」なります。
どの程度日数が違うのかというと
障害者の場合には6か月以上雇用保険をかけていた場合には「150日」支給を受ける事ができます。
さらに1年以上雇用保険をかけている場合には
45歳未満は「300日」、45歳以上は「360日」の支給を受ける事ができます。
障害者の場合には「就職するのが難しい」という理由から、長い期間が設けられているようです。
失業保険の給付額は手取りの金額になる?

支給される失業保険からは引かれるものは何もありません。
支給される失業保険の計算で出した金額がそのまま銀行に振り込まれます。
「やったー」思っている人もいるかもしれませんが、結構大間違いです。
私も離職した時に、払い物が意外と多い事に気が付きました。
会社に属してないので「国民保険」「地方税」「国民年金」が引かれます。
意外と高いんだなーと思って社会保険のありがたみがわかった一瞬でした。一瞬だけね(笑)
再就職手当と就業促進定着手当とは?

失業保険給付中に就職が決まった場合にもらえるお金には「再就職手当」と「就業促進手当」があります。
2つの手当を合わせると、失業保険で満額もらった金額と同等の金額になる人も多いです。
申請には期限がありますが、どちらも忘れないうちに申請しましょう。
それではそれぞれの手当の違いについて見ていきましょう。
再就職手当は就職祝い金と言われる場合もある
失業保険を全額もらう前に就職が決まった場合には、就職祝い金という名目で「再就職手当」をもらうことができます。
数万円ということはなく、数十万円という金額ですのでいくつか条件があります。
計算方法は下記に記載していますが、その前に再就職手当をもらうための条件を紹介しておきます。
- 失業保険支給手続きの後7日間に就職していない
- 失業保険の給付日数が3分の1以上残っている
- 再就職した会社が前に勤めていた会社と無関係である
- 再就職先で雇用保険に加入している
- 過去3年以内にハローワークからお金をもらっていない
- 失業保険給付の前から内定していた会社ではない
- 再就職先が派遣社員で1年以下の契約である場合
このように多くの条件がありますが、結果として「再就職先による書類作成」が必要になります。
就職してすぐに資料を作成してもらうのが理想ですが、結構気を使うもので非常に言いにくいです。
言い方としては「ハローワークからこの書類を出すように言われた」というのがいいかも知れません。
私は就職して1か月後に会社に頼んだ記憶があります。
申請書をハローワークに出して1か月程度してから口座に振り込まれます。
再就職が決まったといって、すぐにもらえるお金ではない点に気を付けておきましょう。
ちなみに期限は2年以内となっていますが、できるだけ早い段階で申請しましょう。
忘れます・・・。
失業保険の支給残日数 × 給付率 × 基本手当日額
給付率については支給残日数が「3/2以上」の人は「0.7」、「3/1」以上の人は「0.6」となります。
また再就職先として「フリーランス」になっても大丈夫ですが、その場合は税務署に開業届を出す必要があります。
就業促進定着手当はどんな人がもらえる?
就業促進手当に関しては、以前勤めていた会社よりも給料が下がった場合に申請する事でお金がもらえます。
前の会社よりも給料が下がれば下がるほど金額は高くなります。
後に説明する上限額により、失業保険を満額もらった場合の金額を超える事はない仕組みとなっています。
就業促進定着手当にも条件がいくつかあります。
- 再就職手当をもらっている
- 前の会社よりも給料が下がっている
- 再就職後6か月以上経過している
前の会社よりも給料が増えている場合にはもらう事ができず、差額が大きくない場合はわずかの額しか出ません。
前の会社の賃金日額 - 今の会社の賃金日額 × 再就職先で6か月間に働いた日数
賃金日額については、最初の方に数値の出し方を記載しています。
今の会社の賃金日額は前6か月の給料総額を6か月分の日数で割ると出ます。
しかし、ここで出た金額がもらえるかというとそうではありません。
基本手当日額 × 支給残日数 × 0.3(0.4)
最後の0.3というのは「1」から再就職手当の給付率をひいたものです。
つまり失業保険の支給残日数が3/2以上の人は0.3、3/1以上の人は0.4となります。
就業促進手当をもらうには「出勤簿の写し」や「給料明細」などの書類が必要になります。
申請期限は2年以内となっていますが、できるだけ早い段階で申請するのがいいでしょう。
失業保険をもらう場合に注意したい点【読んで!】
失業保険をもらう場合に注意したい点があります。
➀失業保険を受け取った後は「1年間」失業保険を受け取ることができません。
(つまり再就職して会社を辞めたとしても、1年以上働いていないと失業保険の給付対象にはなりません。)
➁会社都合で退職していない場合には約3か月後しか失業保険の給付が受けられない。
➂失業保険を受けている時(給付が決まって3か月間も含む)は週20時間以上働けない。(雇用保険に加入する必要があるため)
⓸失業認定日には特別な理由以外行かなければ失業保険が給付されない。
失業保険の計算方法【まとめ】
ここまで失業保険の計算方法について解説してきました。
ここまでの計算式や条件をまとめてみました。
- 失業保険支給手続きの後7日間に就職していない
- 失業保険の給付日数が3分の1以上残っている
- 再就職した会社が前に勤めていた会社と無関係である
- 再就職先で雇用保険に加入している
- 過去3年以内にハローワークからお金をもらっていない
- 失業保険給付の前から内定していた会社ではない
- 再就職先が派遣社員で1年以下の契約である場合
- 再就職手当をもらっている
- 前の会社よりも給料が下がっている
- 再就職後6か月以上経過している
賃金日額 × 給付率 = 基本手当日額(実際に支給される額)
失業保険の支給残日数 × 給付率 × 基本手当日額(給付率は「0.6」か「0.7」)
前の会社の賃金日額 - 今の会社の賃金日額 × 再就職先で6か月間に働いた日数
基本手当日額 × 支給残日数 × 0.3(0.4)
このように失業した場合に受け取れるお金はあります。
早いうちに再就職して受け取る「再就職手当」と「就業促進定着手当」は忘れずに申請しましょう。
後から後からと思っていると忘れてしまって損するかも知れませんよ。
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