2000年代に入ってからというもの、就職氷河期と呼ばれる時代が来たことは記憶に新しいですよね?
1990年代は大学に入ったら必ず就職できるという話でもちきりで、3Kと呼ばれる時代もありました。
2000年代は正社員にもなることができないという時代で、やがて派遣社員、契約社員という制度が広がりを見せ始めた時です。
この記事では、正社員、派遣社員、契約社員の給与面などの待遇の違いについて解説しています。
正社員と派遣社員と契約社員の違い

ここでは正社員と派遣社員、契約社員それぞれの違いを説明していきます。
「東京」という株式会社と、「大阪」という派遣会社があると仮定して説明します。
給与はどこから支払われるのか、どういった仕事をさせられるのか?などの違いについて解説しています。
正社員とは?
正社員とは、「東京」という会社と労働契約を結んでいる社員のことです。
基本的には「東京」という会社が選抜し、採用する権限を持っています。
「東京」が存続する限り自分から辞めない限り定年まで勤める事ができます。
途中で倒産やリストラなどがなく、問題を起こさない限り定年、もしくは定年以降も務める事ができます。
ただし、正社員は固定給であり、ボーナスも支給する必要がありますので、経費の面から会社にとっては多人数を採用する事はできません。
※固定給とボーナスについては事業内容などによって変動し、中には正社員でも歩合給のボーナスなしという会社もあります。
会社が多くの人数を採用する事ができない分、きちんとした理由なくクビにすることができず、労働基準法という法律に強く守られている社員です。
派遣社員とは?
派遣社員とは、他の会社から「東京」という会社に派遣された社員だと考えましょう。
「東京」と労働契約を結んでいる正社員と違い、「大阪」という派遣会社と労働契約を結んでいる社員です。
簡単に言うと、「大阪」という会社が「東京」という会社に応援に出している形になります。
労働契約は条件付きの場合が多く、半年や1年など様々で期間としては契約社員と同じくらいでしょう。
労働契約を「大阪」と結んでいる以上「東京」では「大阪」という会社で決められた仕事しかする必要はありません。
給料は「東京」ではなく派遣元である「大阪」から支払われます。
契約社員とは?
契約社員とは、労働契約は「東京」と結んでいるものの、期限付きで結んだ社員です。
期限付きの契約がある以上、契約が切れた時点で継続するか解雇にするかは「東京」の自由です。
つまり、「東京」が営業不振である場合や、人物的に社風にそぐわない、という場合には契約が切れた時点で解雇する事ができます。
それぞれの社員の給料の違い

正社員の場合には「東京」と労働契約を結んでいるので、「東京」の給与支給に基づいて支払われます。
会社によっては毎年の昇給もあります。
基本給が減ることは、あらかじめ給与支払いに関する賃金表などがある場合などを除き、特別な理由なく認められていません。
ボーナスに関しては、会社の業績が大きく影響するので上下する事は多々ありますが、基本給がベースとなる場合がほとんどです。
あくまでも私の考えですが、本社が大都市にある会社などは給与水準が高く、基本給も高めになっているようです。
業種によっては毎月の収入に大きな変化がないという事がメリットといえます。
派遣社員は派遣元である「大阪」と労働契約を結んでいます。
派遣社員の給与はほとんどの場合は「時給」で支払われます。
時給に関しては昇給という考え方は期待できません。
給料の支払元は「大阪」で、「東京」は派遣社員の給与支払いに関しては全く関係がありません。
それでは派遣社員の給与はどこから出ているのか?
「大阪」は「東京」から「派遣代」というお金をもらっています。
その中の1部を「派遣社員の給与」として支払います。
つまり毎月の会社への「派遣代」の収入は一定で、とても派遣社員のボーナス代などはまかなえません。
時給にボーナスも含んでいるため、時給自体はかなりいいようには思えます。
しかし、固定給でもなく勤務時間も変則になる可能性が高いので、毎月の給料を安定させるのは難しいでしょう。
労働契約に関しては「東京」と結んでいますので、給与に関しては「東京」の規定に基づいて支払われます。
ただし、ボーナスに関してはない場合が多く、昇給もありません。
なぜかというと、ボーナスというのは個人の今後の働きを期待して支払われる部分が多く、半年後や1年後に辞めるかも知れない人には支払わない場合が多いです。
※会社によっては、契約社員でも正社員ほどではありませんがボーナスが支払われる会社もあります。
毎月の収入は安定するものの、ボーナスがない点は契約社員という立場の最も厳しい部分といえます。
それぞれの社員の仕事内容は?

正社員は「東京」という会社の仕事全てに関して行う必要があります。
正社員については昇給はもちろん、昇格もあるので給与の上昇が期待できます。
その分仕事に関しては難しい部分も多く、大変な事も多くあるでしょう。
派遣社員や契約社員以上に怒られることは間違いありません。
仕事のやりがいに関しては、長い間働き続けられるので感じることはできると思います。
派遣社員に関しては、派遣先である「大阪」の仕事の指示に従う必要があります。
「東京」で「この仕事をして」と頼まれても「大阪」で指示された内容でなければ断ってもいいでしょう。
丁重に断る必要はありますが、基本「大阪」の指示に従って仕事をする事になります。
「この仕事しかしたくない」という人や、短時間で働きたい人には向いていると考えてもいいでしょう。
(例)〇〇スーパーマーケットでウインナーの試食販売(9時~15時)
契約社員に関しては、正社員の仕事を手伝うような感じで仕事をする場合が多いです。
重要な仕事に関しては正社員が、補佐的な部分に関しては契約社員が、という形で行われます。
働く期間が短いので、重要なスキルなどはほぼ教えてもらえないと考えましょう。
自分のスキルアップアはできませんが、その代わりに正社員ほどストレスなく気楽に仕事ができるでしょう。
正社員と派遣社員と契約社員はどう違う?【まとめ】
ここまで正社員と派遣社員、契約社員の違いについて解説してきました。
それぞれについてまとめてみました。
- 給料は安定してボーナスもある
- 昇給などもあり、やりがいのある仕事ができる
- 仕事面のストレスや大変な面は多い
- 場合によってはプレッシャーでつぶれてしまう事も
- クビになる可能性は低い
- 給料は時給だが高い場合が多い
- 仕事内容は毎回決まっている場合が多い
- 時間を短く働きたいなどの場合はいいかも
- 給料が安定しない
- 働く期間が決められている
- 給料は毎月安定するがボーナスがない
- 重要な仕事は任せてもらえない
- 仕事に対するストレスは正社員より少ない
- 自分にできる業種か試す機会としてはいい
- 働く期間が決められている
以上まとめてみました。
派遣や契約であっても正社員になることは頑張り次第で可能です。
労働法改正によって2018年から派遣社員、契約社員という呼び名はなくなりました。
会社によって派遣社員、契約社員と同じ扱いの呼び名が決まっている場合がありますのでよくリサーチしてみてください。
(例)契約社員⇒エリア社員など
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