野菜には、加熱すると栄養が壊れてしまうものがあり、大根おろしもその1つです。
大根は口内炎に効くビタミンなどの栄養がたくさん詰まっており、加熱しても壊れないといいなーと私は思いました。
調べてみたところビタミンCだけは加熱すると壊れますが、ビタミンC以外の栄養に関しては壊れる事がありません。
この記事では、大根おろしを加熱した場合の栄養や成分について詳しく解説しています。
また、口内炎への効果についても紹介していますので、口内炎に良くなりやすいという方は是非ご参考ください。
この記事でわかること
・大根の栄養成分
・大根おろしを加熱した時の栄養はどうなるか
・口内炎への効果について
この大根おろし器、楽天で見つけて気になってます。
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大根の葉っぱと根っこの栄養とは?

まず大根の葉っぱと根っこにどのような栄養が含まれているのか見ていきましょう。
大根の根っこはビタミンCの宝庫
大根の根っこの部分を大根おろしにすると水浸しになるのでわかるように、実際にほとんどは水分が大半を占めます。
しかし大根の根っこにはビタミンCが大量に含まれています。
ビタミンCと言えば、風邪の予防に最も効果的な成分という事になりますので、特に冬は大根を口にする機会が多いのかもわかりませんね。
大根おろしにはビタミンCの他にもジアスターゼ(でんぷん質分解酵素)やプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)、リパーゼ(消化酵素)が含まれています。
消化酵素が多く含まれているので、大根は食べ物の胃での消化を促進する野菜として有名なのもわかりますね。
大根特有の栄養として、すりおろした時のみ作られる辛み成分として有名な「イソチオシアネート」が含まれています。
がんの予防などとして注目されている成分の1つです。
大根おろしを作った時には初めて「ツーン」とする辛み成分が出てきますが、大根の細胞を壊すことによって反応を起こし「イソチオシアネート」が生成される仕組みとなっています。
「イソチオシアネート」にはアンチエイジング効果や殺菌効果があり、大根おろしを食べるときのみ大根から摂ることができる効果と言ってもいいかもしれませんね。
大根の葉っぱはビタミンC以外の宝庫
大根の葉っぱには、人参に多く含まれることで有名なベータカロテン、カリウム、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKが多く含まれています。
大根の葉っぱというと漬物にしたり、細かく刻んで「おこもじ」としてご飯のおともにぴったりですね。
ただビタミンCは加熱する事で壊れるビタミンとして有名です。
大根の葉っぱに関しては加熱をするよりも、生で食べたほうがいいようですね。
ビタミンCを摂る事でニキビや口内炎に効果があります。
大根おろしの栄養で加熱(温めると)壊れるもの

大根おろしを作る場合には大根の根っこを使って作りますよね。
先ほど説明した通り大根おろしに最も多く含まれている栄養はビタミンCです。
次に多く含まれていた消化酵素と辛み成分のイソチオシアネートですが、加熱した場合には栄養はどうなるのでしょう?
ビタミンCは熱に弱く、加熱してしまうことで大半が壊れてしまう(酸化してしまう)ために、ビタミンCを多くとりたいのであれば、加熱よりも生で大根おろしを食べるほうがいいでしょう。
ただビタミンCは水溶性なので、水にさらしたり、ゆでてしまうとすぐに栄養が失われたりしますので、生で大根を食べる場合のみビタミンCはとれると考えてもいいでしょう。
ただしビタミンC以外のベータカロテンやビタミンE、ビタミンKに関しては加熱しても壊れる事がないので、加熱しても栄養に変化はほとんどありません、というか逆に吸収が良くなります。
大根おろしに含まれる消化酵素に関しても、50度以上に加熱する事で消化酵素としての働きが鈍くなり、消化酵素としての働きをあまりしてくれなくなってしまいます。
ただ全く栄養自体がなくなるわけではありませんが、効果として期待する事が難しくなってきてしまいます。
辛み成分として有名なイソチオシアネートを加熱した場合には、ビタミンCと同じように壊れて摂れなくなってしまいます。
ただし辛みがなくなるので、食べやすくはなります。
イソチオシアネートという栄養成分は熱に弱いうえ、気化して蒸発する栄養なので、すってから30分以上時間が経ってしまったり、大根おろしを加熱する事はおすすめできません。
逆に大根おろしを加熱する事で、辛みが苦手な方や子供たちは辛みが少なくなるので食べやすくなるのも特徴です。
大根おろしの保存で時間が経った場合の栄養の変化は?

結論から言うと、一部の栄養素は減少したり変質したりします。
中には、ほぼ変化しない栄養素もありますが。
減少したり変質してしまう栄養素は、以下の3つです。
● ①イソチオシアネート
● ②酵素
● ③ビタミンCを含むビタミン
それぞれについてまとめていきます。
①イソチオシアネート
大根おろしの辛み成分で、皮に近い部分に多く含まれています。
働きは、『抗がん作用』『殺菌作用』『免疫力向上』など。
揮発性があるため、すりおろしてから15分経ってしまうとイソチオシアネートが失われます。
なので、食べる直前にすりおろしてくださいね。
②酵素
比較的安定した成分です。
しかし、時間が経つと減少したり変質したりしますので注意してください。
熱にも弱いです。
③ビタミンCを含むビタミン
ビタミン群のなかで、ビタミンCが一番変質しやすいです。
他のビタミンは、ビタミンC程ではありませんが、やはり変質してしまいます。
他にも、食物繊維が含まれています。
この食物繊維は、ほとんど減少や変質をしない代表的な成分です。
大根おろしに含まれている栄養素を効率的に摂取するには、すりおろして直ぐに食べなければなりません。
たとえ時間をおいたとしても、15分以内に食べましょう。
時間が経ってしまうと、大根おろしの良さを活かすことができなくなるので、とても勿体無いですよ。
大根おろしの汁を加熱すると栄養は?

大根おろしの汁を加熱すると、栄養は失われてしまいます。
なぜなら大根おろしの汁には、ビタミンCがたくさん含まれているからです。
このビタミンCは先ほども述べましたが、熱にとても弱いです。
ビタミンCは水溶性でもあるため、かなり不安定な栄養素であると言えるでしょう。
大根おろしの汁に含まれる栄養素を効率的に摂取するなら、ぜひ生で食べるようにしてください。
「生の味は苦手…。」
という人は、100%ジュースに混ぜて飲むと飲みやすいと思います。
グレープやオレンジのような濃い味がオススメです。
※大根おろしの汁に含まれる酵素について
大根おろしの汁には、酵素が豊富に含まれています。
ほとんどの酵素が、汁に含まれているといっても過言ではありません。
● ジアスターゼ(アミラーゼ)
● オキシターゼ
● ミロシナーゼ
● プロテアーゼ
● リパーゼ
それぞれの酵素について、軽く触れますね。
ジアスターゼ(アミラーゼ)
デンプン分解酵素です。
胃酸分泌をコントロールする働きがあるので、消化を助けてくれます。
胃腸薬に配合されている成分としても有名です。
葉に近い部分に多く含まれていると言われています。
オキシターゼ
発がん性物質を分解する酵素。
たんぱく質や、脂肪の分解も助けてくれます。
ミロシナーゼ
イソチオシアーネという辛み成分を辛み成分を作り出します。
調理器具ですりおろした時には、この酵素は増加しません。
増加させるには、手ですりおろす必要があります。
※イソチオシアーネとは
抗酸化力が高くて、アンチエイジング効果があります。
代謝が上がるので、メタボ予防にも。
プロテアーゼ
たんぱく質を分解する酵素。
体内にたんぱく質を取り入れるためには、とても大事な酵素です。
テレビCMで「若いころは脂っこいものを食べても平気だったので。今ではもたれてしまうんです…。」
と流れていたことを覚えていますか?
この現象は、プロテアーゼが減少していることを示しています。
加齢とともに減少していく酵素でもあるので、食べ物でうまく補ってくださいね。
リパーゼ
脂肪を分解する酵素。
体内に蓄積されている脂肪をエネルギーとして代謝する働きもあります。
大根おろしを煮ると効果は?

煮る料理には大根おろしの味を甘くする効果があります。
大根おろしを煮ると、甘味が強くなったという経験はありませんか?
それは、大根おろしの辛み成分であるイソチオシアネートが低下するからです。
イソチオシアネートについては他の項目で詳しくまとめていますので、忘れてしまった人は一度振り返ってみてくださいね。
イソチオシアネートは熱に弱い酵素ですが、甘味を作り出す酵素は熱に強いです。
50度〜70度で、よく働きます。
一般的な酵素とは違うことが、おわかりいただけるでしょう。
辛みが苦手な人や、お子様は大根おろしを煮ることをオススメします。
オススメレシピは、鶏肉のミゾレ煮。
鶏肉に大根おろしと醤油(ミリンでも代用可能)を加えるだけなので、料理が苦手な人でも簡単に作ることができます。
食卓に並べば、パクパクと食べてくれるでしょう。
大根おろしの栄養は口内炎に効果がある?

気づいたら口内炎になっていて、ご飯を食べる度に痛い思いをした人も多いでしょう。
口内炎は口の中にできた傷に雑菌が入ることが原因で起こる炎症ですよね。
ご飯を食べる時につかえるだけで痛い思いをして、だんだんどうにかならないかと思ってしまう人もいます。
口内炎や口角炎ができた場合には、ビタミンBやCを多くとることで治癒が早くなるとされており、口の中を衛生的に保つことでも治癒が早くなります。
どうしても早く治したい場合にはこちらの薬品が有効です。
実は大根おろしの殺菌成分が口内炎や口角炎に効果があるとされています。
味としてはどうなのかと思いますが、大根おろしをおろした時の水で口をすすぐだけで口の中の殺菌ができるといわれています。
大根をおろした時の水にも口内炎の治療になる栄養が含まれているという事でしょう。
口内炎を直すのに「わざわざ薬に頼らない」という方は是非試してみてください。
大根おろしを食べ過ぎると?

大根おろしを食べ過ぎると、あなたの体に悪影響を及ぼします。
具体的な症状は以下の4つ。
①おならが臭くなる
②下痢
③頭痛
④吐き気
それぞれについて、見ていきます。
①おならが臭くなる
食べ物が消化されるときに発生するガスが、おならの元です。
大根おろしは、このおならの元になるガスを発生させやすい働きがあります。
食物繊維と酵素が原因となり、臭いおならを発生させます。
とても臭い…。
おならが臭くなる原因の一つです。
気をつけましょう。
②下痢
便秘に悩んでいない人は、特に注意が必要。
食物繊維が原因で、下痢になってしまいます。
生で食べると体を冷やしてしまい、下痢を悪化させる可能性があります。
多めに食べたい場合は、おでんやみそ汁など温かい料理にして一緒に食べるのもオススメ。
③頭痛
ビタミンB1の過剰摂取が原因です。
普通の食事での食べすぎでは、ほとんど起こる事はありません。
大根おろしを、お茶碗1杯食べるなど異常な量でなければ大丈夫です。
④吐き気
でんぷんを分解する酵素である、アミラーゼが原因。
空腹状態のときに大根おろしを食べると、胃の働きが活発になり、胃のむかつきを感じやすくなります。
空きっ腹で、大根おろしだけを食べてはいけません。
大根おろしの適正量は、小盛り程度です。
健康にいいからと言って、大量に食べると逆効果になりますので注意してください。
何事も、行き過ぎはダメです。
大根おろしが逆流性食道炎にいいという話はホント?

大根おろしが、逆流性食道炎にいいという話は本当です。
胃もたれや胸焼けを防ぐ働きがある酵素が、3つ含まれているからです。
その3つの酵素とは、『リパーゼ』『プロテアーゼ(ステアーゼ)』『アミラーゼ(ジアスターゼ)』。
リパーゼ【脂肪を分解する酵素】
プロテアーゼ(ステアーゼ)【たんぱく質を分解する酵素】
アミラーゼ(ジアスターゼ)【でんぷんを分解する酵素】
3つの酵素は熱に弱いので、逆流性食道炎の方は必ず生で食べてください。
大根おろしを毎日食べると効果は?

大根おろしを毎日食べた時に現れる、主な効果は5つあります。
● 血圧が安定する
● 風邪予防
● ガン予防
● 美肌効果
● 老化防止
それぞれについて、見ていきましょう。
あなたも、大根おろしが食べたくなるかもしれませんよ。
①血圧が安定する
大根おろしにはカリウムが含まれていて、血圧を下げる働きがあります。
カリウムは、腎臓で吸収される塩分を尿として排出する。
余分な塩分を排出するので、血圧が安定してきます。
②風邪予防
イソチオシアネートには、上記で述べたように殺菌作用もあります。
大根おろしに含まれている消化酵素には炎症を抑える働きがあり、特に喉の炎症に役立ちます。
喉が痛いな…。と感じたら、大根おろしを食べるようにしてください。
寒い時期には、強い味方となることでしょう。
③ガン予防
イソチオシアネートは、解毒作用を強化してがん細胞や血栓を作らないようにします。
焼き魚に、よく大根おろしが添えられていませんか?
焼き魚に付着しているコゲが、発がん性物質を作り出すことは有名です。
発がん性物質を解毒させようとして、大根おろしを添えています。
先人たちの知恵です。
④美肌効果
大根おろしには、ビタミンCが豊富に含まれています。
中には、抗酸化作用があるビタミンCも。
体内でコラーゲン生成を促進するためには、欠かせないものです。
シミやシワの予防になるので、美肌効果がありますよ。
⑤老化防止
イソチオシアネートには、強い抗酸化作用があり代謝が上がります。
結果として、細胞が活性化。
活性化すると、細胞が若返ります。
老化の原因である活性酸素を除去しますので、老化防止に役立ちます。
大根おろしは便秘に効果がある?

大根おろしは、便秘に悩む人の強い味方です。
大根おろしの成分は、95%が水分。
ほとんど水分でできていると言っても、過言ではありません。
水分が便を柔らかくして、腸内の有害物質と便を排出しやすくしてくれます。
腸内細菌の餌になり腸内環境を整えますので、便秘の解消・予防に効果的です。
免疫細胞の約7割が、腸にあります。
腸内環境が良くなることで、免疫細胞が活性化し風邪をひきにくい体質に変わりますよ。
便秘に悩んでいるあなたは、大根おろしを食事に取り入れてみてはいかがでしょう。
大根おろしは肝臓や胃痛にも効果がある?
大根おろしは昔から『病気知らず医者要らず』と言われていて、様々な薬効があります。
なので、もちろん肝臓や胃痛にも効果がありますよ。
【大根おろしの肝臓への効果】
ビタミンCが、肝臓の働きを助けてくれます。
肝臓の炎症・過敏を抑えるので、肝機能が低下している人にオススメ。
【大根おろしの胃痛への効果】
上記でも述べましたが、胃もたれや胸焼けを防ぐ働きがあります。
はやく症状を抑えたいからと言って、たくさん食べてはいけません。
たくさん食べると、胃痛が悪化する可能性があります。
適量を守ってくださいね。
大根おろしは妊娠中でも食べれる?

妊娠中の人が、大根おろしを食べても赤ちゃんに影響が出ることはありません。
逆に大根おろしには、白菜のように妊婦さんには嬉しい栄養素がたくさん含まれていますので、食べて損はありません。
大根おろしには、たっぷりと水分が含まれていますので、水分不足になりやすい妊婦さんにはオススメの食材です。
「悪阻がきつい時に食べやすいし、体重管理をしやすいからオススメだよ」と助産師さんが、勧めていることが多いですよ。
助産師さんに尋ねると、おすすめレシピを教えてくれるかもしれません。
気になる人は、1度相談してみてはいかがでしょうか?
妊婦さん(妊娠中の人)が大根おろしを食べる際の注意点
①大根をよく水洗いをしてください。
大根に付着している土から、トキソプラズマなどの感染症にかかる可能性があるためです。
しっかりと流水で、土や汚れを落としてください。
ご自身と赤ちゃんのためなので、適当に洗ってはいけません。
②食べ過ぎはダメ
食べ過ぎると、胃痛や下痢を引き起こします。
量によっては、体を冷やしすぎてしまうことも。
赤ちゃんがビックリしてしまいますので、ほどほどの量にしてください。
大根おろしの栄養は加熱しても大丈夫なのか?【まとめ】
ここまで大根の栄養や大根おろしの栄養について紹介してきました。
結果として、大根おろしはすってからできるだけ早い段階で生で食べる事が重要だとわかりました。
時間が経てばたつほど栄養はなくなっていくので、冷蔵庫に入れていたとしても揮発して少なくなってしまいます。
大根を加熱して作る料理の1つ、大根の煮物などでは大根に含まれるビタミンC以外の栄養に関してはとることができ、さらに加熱する事で吸収が良くなるのは驚きでしたね。
- 大根の根っこにはビタミンCが含まれ、加熱するとほとんど壊れる
- イソチオシチアネートは大根おろしにしか含まれない栄養素
- ビタミンC以外の栄養は加熱しても摂ることができる
- 辛みを抑えたいのであれば、大根おろしを加熱する
これから秋になってサンマの時期になりますので、大根おろしが活躍する季節になります。
ぜひ大根おろしの栄養を知ってモリモリ食べましょう!でも食べすぎるとお腹下しますよ?
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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